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はじめに

「定住者になって5年。これでやっと永住権が申請できる」

そう考えて申請準備を始めたものの、思わぬ落とし穴に直面するケースが後を絶ちません。

たしかに「定住者」には、永住許可の原則である「10年の日本滞在」を「5年」に短縮する特例が存在します。しかし、「5年経過=永住許可」ではありません。

現在「3年」の在留期間をお持ちの方に迫る「2027年3月末のタイムリミット」をはじめ、税金や年金の「納期限」、過去の届出漏れなど、審査で見落とせないポイントは数多く存在します。

今回は、日系人の方や離婚・死別後に定住者となった方が、確実に永住へステップアップするための重要条件を分かりやすく解説します。

「定住者」は10年ではなく5年が特例の対象

永住許可の原則は「引き続き10年以上」の日本滞在です。

しかし、出入国在留管理庁のガイドラインにおいて、「定住者」の在留資格で5年以上継続して日本に在留している場合は、この10年要件を免除する特例が認められています。

対象となるのは、主に次のような方々です。

  • 日系人として「定住者」を取得した方
  • 日本人や永住者の配偶者と離婚・死別し、「定住者」へ変更した方
  • 日本人・永住者の連れ子などとして「定住者」になった方

ここで注意すべきは、日本に来てからの総期間ではなく、「『定住者』の資格になってから5年以上継続していること」が原則の基準となる点です。

最長在留期間の注意点(2027年3月末までの経過措置)

定住者として5年経過していても、もうひとつ絶対に必要な条件があります。それが「現に有する資格で最長の在留期間を得ていること」です。

定住者の最長在留期間は本来「5年」です。ただし、令和9年(2027年)3月31日までの経過措置として、現在は「3年」の許可でも最長とみなして永住申請を受け付ける運用がなされています。

  • 2027年3月31日まで: 在留期間「3年」でも申請可能(※審査の上で許可・不許可が判断されます)
  • 2027年4月1日以降: 原則として最長の「5年」の許可がないと要件を満たさなくなります

現在「3年」の定住者でおられる方は、この経過措置の期間中に申請を進めるか、次回の更新で「5年」を取得できるよう早期に生活基盤を整える必要があります。

離婚・死別後に「定住者」になった場合のカウント方法

「配偶者と離婚して定住者になったが、いつから5年を数えるのか?」というご相談も多く寄せられます。

ここで誤解しやすいのが「配偶者特例」との混同です。

婚姻生活が続いている配偶者には「実体3年+日本在留1年」で申請できる特例がありますが、離婚・死別後に定住者へ変更した時点で、この配偶者特例は使えなくなります。

離婚後の申請ルートは、大きく分けて次の2つに整理されます。

1.定住者特例ルート(定住者として5年)

変更後の「定住者」の期間だけで5年以上継続して在留する。

2.原則10年ルート(全体の在留歴で10年)

配偶者等の期間も含め日本滞在が通算10年以上あり、そのうち「居住資格(配偶者等や定住者)」での滞在が連続5年以上ある。

どちらのルートが適用できるかは、過去の在留歴によって異なります。

審査で厳しく見られる「公的義務」と「届出」

永住審査では、滞在年数以上に「日本の社会ルールを守って生活してきたか」が厳しく評価されます。

1. 税金・年金・健康保険の「納期限」

単に「現時点で支払済み(未納なし)」であれば良いわけではありません。「本来の納期限を守って支払ってきたか」が見られます。

過去に納期限の遅れ(未納・滞納)がある場合、審査において消極的に評価され、不許可の原因となります。支払いの遅れを防ぐため、事前に「口座振替」や「自動引き落とし」へ切り替えておくことを強くお勧めします。

2. 入管法上の届出義務

引っ越しをした際の「14日以内の住居地届出」が正しく行われているかも重要です。また、離婚・死別時に「配偶者に関する届出」を期限内に行っていたかも、過去のコンプライアンスとして確認されます。

まとめ

「定住者」からの永住申請のポイントは以下の通りです。

  • 定住者として5年以上の継続在留で特例対象となる
  • 在留期間「3年」での申請は2027年3月末までの経過措置である
  • 離婚・死別後は配偶者特例が使えず、定住者としての実績または10年通算で判断する
  • 税金や社会保険料は「未納がないこと」だけでなく「期限内の納付」が前提
  • 引っ越し時の住居地届出など、基本的な義務を果たしていることが重要

定住者の方にとって、永住権の獲得は将来の生活設計を支える非常に大きな節目となります。

「自分は今申請できるタイミングなのか」「過去の税金や届出に不安がある」という方は、自己判断で申請して不許可を受ける前に、これまでの在留歴や納付状況をひとつずつ点検することが大切です。

当事務所では、定住者の方一人ひとりの在留履歴を丁寧に確認し、最適な申請時期と準備をご案内しています。お気軽にご相談ください。

※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。 

 

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