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はじめに

「急な体調不良で帰国便に乗れなくなった」「親族の病気でどうしてももう少し日本に付き添いたい」——短期滞在で来日中の方やそのご家族から、こうした切実なご相談をいただくことがあります。

短期滞在ビザは本来、観光や親族訪問などを目的とした一時的な在留資格のため、原則として延長は認められません。しかし、予期せぬ事情が発生した場合には、特例として更新や変更が許可されるケースもあります。

今回は、短期滞在の延長が認められる条件と、実務で特に気をつけるべき注意点について解説します。

1.原則は「予定どおり帰国」

短期滞在の在留期間は、15日、30日、90日などがあり、入国時に決定されます。

入管法上、在留期間の更新は「更新を適当と認めるに足りる相当の理由」が必要とされていますが、短期滞在においてはこれが非常に厳格に運用されています。単に「もう少し観光したい」「家族と過ごす時間を延ばしたい」といった個人的な理由では、原則として許可されません。

短期滞在の更新が認められるのは、「人道上の真にやむを得ない事情」や「これに相当する特別な事情」がある場合に限定された、あくまで例外的な特例であると理解しておく必要があります。

2.どのような場合に更新や変更の可能性がある?

代表的なケースとしては、来日後の急な病気やけがによって移動が困難になった場合が挙げられます。

例えば、短期滞在中に急病となり、日本の病院で入院治療を受けなければならなくなったケースです。

治療に伴う滞在延長の場合、期間によって必要な手続きが異なります。

  • 治療期間が90日以内の場合: 「短期滞在」の在留期間更新許可申請
  • 90日を超える長期の入院治療が必要な場合: 「特定活動(医療滞在)」への在留資格変更許可申請

ただし、90日を超えるからといって自動的に切り替えられるわけではありません。医療滞在への変更にあたっては、受け入れ病院による治療計画書や診断書に加え、医療費や日本での滞在費・帰国費用を問題なく支払えるかという「立証責任」が厳しく問われます。

3.申請で求められる説明と立証

短期滞在の更新や変更を申請する際は、「なぜ当初の予定通りに帰国できないのか」を客観的な資料で説明する必要があります。

具体的には、以下の項目を立証していくことになります。

  • 当初の帰国予定と、その後に発生した予期せぬ事情
  • 医師の診断書や治療計画書(病気・けがの場合)
  • 滞在中の生活費および医療費の支払い能力を示す資料
  • 症状が回復した後に確実に出国・帰国する見込み

単に理由書で事情を訴えるだけでなく、裏付けとなる公的な証明書や病院の発行書類を整えることが許可への重要な鍵となります。

4.【最重要】「30日以下」の短期滞在は特例期間が対象外!

短期滞在の手続きで最も注意しなければならないのが、在留期限のルールです。

一般的な就労ビザや身分系ビザの場合、期限内に更新申請を出していれば、結果が出るまでの間(または期限から2か月間)は適法に日本に滞在できる「特例期間」という仕組みがあります。

しかし、15日や30日の短期滞在で決定されている方は、この「特例期間」の対象から除外されています(入管法第20条第6項)

つまり、30日以下の短期滞在でビザをお持ちの方が更新申請を出して審査中であったとしても、本来の在留期限が来た瞬間にオーバーステイ(不法残留)になってしまう危険があります(※90日の短期滞在であれば特例期間の対象となります)。

そのため、15日・30日などの短い期間で滞在されている方は、帰国できない事情が生じた時点で一刻も早く行動を起こす必要があります。また、東京出入国在留管理局など一部の入管では、短期滞在の更新申請にあたって事前に審査部門への相談を求めていますので、期限に余裕を持った対応が不可欠です。

まとめ

短期滞在ビザの延長は、予定通りの帰国が原則であるからこそ、特例として認められるための高いハードルが存在します。

特に、15日や30日といった短い在留期間でお過ごしの場合は、特例期間が適用されないため時間との勝負になります。「急な病気や事情で帰国できず、どうすればいいか分からない」とお困りの際は、期限が切れてしまう前に、速やかに専門家や入管窓口へご相談いただくことをおすすめします。

当事務所でも、急な事情による短期滞在の手続きや在留資格の更新・変更についてご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。

 

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