はじめに
「ワーキングホリデー中に就職先が決まったので、そのまま日本で働き続けたい」
「滞在中に日本人と結婚することになった。ビザはどうなる?」
ワーホリで日本に滞在している外国人の方や、そうした人材を雇用する企業様からよくいただくご相談です。
結論から申し上げますと変更手続き自体は可能ですが、お相手の「国籍」によって、日本に居ながら直接ビザを変更できるかどうかが大きく分かれます。
今回は、ワーホリから別のビザへ変更する際の注意点と実務上のルールを分かりやすく整理します。
ワーホリから「就労ビザ(技人国など)」への変更注意点
ワーホリの在留資格は「特定活動」ですが、ここから「技術・人文知識・国際業務(技人国)」などの就労ビザへ変更する場合、最大のハードルとなるのが「二国間協定による帰国原則の有無」です。
1. 日本国内でそのまま変更申請ができる国(5カ国のみ)
二国間協定の規定上、日本に滞在したまま就労ビザへ直接変更することが認められているのは、原則として以下の5カ国のみです。
- オーストラリア
- ニュージーランド
- カナダ
- ドイツ
- 韓国
これらの国籍の方は、学歴・職歴や業務内容などの「就労ビザの要件」を満たしていれば、帰国せずに国内で在留資格変更許可申請を出すことができます。
2. 原則として「一旦帰国」が必要な国・地域(上記5カ国以外)
上記5カ国以外の国・地域(台湾、香港、イギリス、フランスなど)については、協定上ワーホリ終了後の帰国が原則とされています。
そのため、日本で採用が決まったとしても、原則として日本国内で直接就労ビザへ変更することはできません。一度本国へ帰国した上で、日本の会社が「在留資格認定証明書(COE)」を取得・送付し、現地で査証を発給してもらって再入国する手順を踏むのが基本ルートとなります。
特にワーホリ利用者の多い台湾や香港籍の方は「国内でそのまま切り替えられる」と誤解されやすいため、企業側も注意が必要です。
日本人と結婚した場合は「配偶者ビザ」へ変更可能
一方、ワーホリ期間中に日本人と国際結婚した場合は事情が異なります。
法律上の婚姻関係が成立しており、実態のある夫婦生活を送っている場合、原則としてどの国籍であっても日本国内で「日本人の配偶者等」への変更申請を検討することができます。婚姻という人道上の事情が考慮されるためです。
配偶者ビザを取得できれば、就労ビザのような「学歴・職歴の制限」や「職種の制限」がなくなり、どんなお仕事でも自由に働くことができるようになります。
ただし、入管の審査では「偽装結婚ではないか」「日本で夫婦として安定して生活できる収入・資産があるか」が厳しくチェックされます。交際経歴や生活状況についての丁寧な証明書類(理由書やスナップ写真など)の準備が必要です。
期限ギリギリの準備は厳禁!早めの着手が成功の鍵
ワーキングホリデーの在留資格(特定活動)は、原則として更新(延長)ができません。
「期限まであと1か月しかない」という段階で相談に来られるケースもありますが、書類の準備や相手国ごとの手続きの確認には時間がかかります。最悪の場合、申請準備中に在留期限が切れて一旦帰国を余儀なくされるリスクもあります。
就職が決まった段階、あるいは結婚の予定が固まった段階で、できるだけ早く次のステップへ向けた準備を始めることが大切です。
おわりに
ワーキングホリデーからのビザ変更は、ご本人の「国籍」と「変更後の目的(就労なのか結婚なのか)」によってルートが全く異なります。
当事務所では、各国ごとの協定を踏まえた上で、日本国内での変更申請から一時帰国を経由したCOE申請まで、それぞれの状況に合わせた最適なビザ戦略をご提案しております。ワーホリからのステップアップでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。
