共同経営でビザを取るための必須条件
出入国在留管理庁は、複数人が共同で経営を行う場合、「それぞれが本当に経営・管理業務を行っているか」を個別に審査します。
- 明確な役割分担(例:Aさんは海外仕入れ・貿易担当、Bさんは国内営業・財務管理担当)
- 事業規模に応じた複数経営者の必要性(小規模店舗1店舗で経営者3人は不可解とされる)
- 生活が成り立つ適切な役員報酬(会社全体の収支計画から、全員に十分な報酬が支払えるか)
つまり、「なぜ1人ではなく複数人の経営者が必要なのか」を事業計画書などでロジカルに説明できなければなりません。
出資割合は「50%ずつ」でなくても大丈夫
よくある勘違いが「共同経営なら出資割合は半分ずつ(50:50)にしなければならないのでは?」という点です。
結論として、出資割合が均等である必要はありません。過去の許可事例でも、800万円と200万円といった異なる出資比率で共同経営が認められたケースがあります。
重要なのは出資の割合そのものではなく、「それぞれの担当業務が経営・管理にあたるか」「実際の意思決定にどう関与しているか」という実態面です。
2025年10月以降の新基準にもご注意を
共同経営を検討する上で最も注意したいのが、2025年10月に施行された「経営・管理」ビザの審査基準の大幅改正です。
- 資本・財産要件:法人の場合は資本金・出資総額3,000万円以上(※個人事業主は事業投下財産3,000万円以上)
- 雇用要件:常勤職員1人以上の雇用
- 本人・言語要件:経営・管理の経験・学歴、および日本語能力(N2相当以上)(※本人または常勤職員が充足)
なお、この3,000万円という金額は「経営者1人あたり3,000万円(2人で6,000万円)」という意味ではなく、事業全体の資本金・出資総額として3,000万円以上があれば条件を満たします。
おわりに
共同経営でのビザ申請は、1人で申請する場合に比べて「業務分担の合理性」や「収支計画の現実性」がより厳しくチェックされます。
会社を設立してしまった後から「この役割分担ではビザが下りない」と判明しては遅すぎます。事業計画を立てる初期段階から、在留資格の要件を見据えて組織体制や資本構成を設計しておくことが成功への鍵です。
当事務所では、共同経営での会社設立・ビザ申請について、事業計画の作成段階から総合的にサポートしております。共同での起業をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。
