はじめに
「日本が好きなので、観光ビザの期限を気にせず1年くらいゆっくり滞在してみたい」
そんな富裕層の外国人のために用意されているのが、特定活動告示40号・41号(ロングステイビザ)です。一般的な観光(短期滞在)ビザとは異なり、条件を満たせば最長1年間の滞在が可能になります。
ただし、利用できる対象者や同行できる家族には意外と厳格なルールが存在します。今回は、実務でよくご質問いただく要件と注意点をわかりやすく解説します。
特定活動40号は「最長1年」滞在できる富裕層向け観光ビザ
特定活動告示40号は、一定の要件を満たす外国人が日本で観光や保養を行うための在留資格です。
通常の「短期滞在」ビザ(最長90日)との大きな違いは、滞在できる期間の長さにあります。
40号で最初に許可される在留期間は「6ヶ月」ですが、出入国在留管理庁にて手続きを行うことで1回に限り更新が認められ、通算で最長1年間の連続滞在が可能となります。
主な申請要件
- 年齢:18歳以上であること
- 国籍:日本の査証免除措置(ビザ免除国)の対象国・地域であること
- 資産:本人名義の預貯金が3,000万円以上あること(夫婦で来日する場合は合計6,000万円以上)
- 保険:民間海外旅行保険(滞在中の死亡・負傷・疾病に対応する十分な補償内容のもの)に加入していること
※この在留資格の保持者は、法令上(国民健康保険法施行規則第1条)、日本の国民健康保険への加入から除外されています。そのため、手厚い民間医療保険への加入が義務付けられています。
配偶者は「特定活動41号」で帯同可能(ただし子どもは不可!)
夫婦で日本に滞在したい場合、同行する配偶者は特定活動告示41号を取得することになります。40号と41号は原則としてセットで申請する制度です。
ここで実務上、最も注意しなければならないのが「子どもの扱い」です。
告示41号の対象は「配偶者のみ」と定められており、未成年の子どもを連れて来日することは認められていません。「家族みんなで1年間日本に住みたい」と相談にお越しになり、お子様が対象外だと知って驚かれるケースが非常に多いため、事前の確認が不可欠です。
働くことはできる?リモートワーク(デジタルノマド)との違い
告示40号・41号は、あくまで観光や保養を目的とした在留資格です。
日本国内の企業で勤務したり、アルバイトをしたりして報酬を得る就労活動は一切禁止されています。
「日本に滞在しながら、本国の仕事をリモートワーク(ノマドワーク)で続けたい」という方の場合は、告示40号ではなく、デジタルノマドビザ(特定活動告示53号・54号)などの別制度を検討する必要があります。
デジタルノマドビザは「年収1,000万円以上」などの要件があり、滞在期間は最長6ヶ月(更新不可)ですが、こちらは配偶者だけでなく子どもも帯同できるという特徴があります。滞在目的や家族構成に応じて、どの制度を使うべきか見極めることが重要です。
まとめ
特定活動告示40号・41号は、日本でゆったりと時間を過ごしたい富裕層のご夫婦にとって非常に魅力的な制度です。
【ポイントの整理】
- 初回6ヶ月+更新1回で「最長1年間」の滞在が可能
- 本人3,000万円(夫婦で6,000万円)以上の預貯金証明が必要
- 国民健康保険には入れないため、十分な民間医療保険の加入が必須
- 帯同できるのは「配偶者のみ」(子どもは連れて来られない)
- 日本国内での就労(アルバイト等)は不可
特定活動は、交付される「指定書」に記載された範囲内でしか活動が認められません。ご自身の滞在計画や家族構成に適合しているか、申請前にしっかりと確認しておきましょう。
※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。
