はじめに
海外に残してきた自分の子どもと一緒に日本で暮らしたい――。国際結婚をされた方から、こうした切実なご相談をいただくことは本当に多くあります。
結論からお伝えすると、日本人や永住者の直接の実子でなくても、配偶者の「連れ子」であれば「定住者」という在留資格で日本へ呼び寄せられる可能性があります。
今回は、実務でカギとなる告示のルールと、書類上だけでは見えてこない申請の落とし穴について解説します。
連れ子を呼ぶための制度「定住者告示第6号ニ」とは?
法務省の定める定住者告示第6号は、対象者によってイ・ロ・ハ・ニの4つに分かれており、その中の「ニ」がまさに配偶者の連れ子を対象とした規定です。
対象となるのは、「日本人や永住者(または特別永住者)の配偶者ビザで日本に住む外国人が、本国から呼び寄せる未成年で未婚の実子」です。
たとえば、日本人男性と結婚した外国人女性が、本国に残してきた前夫との子どもを呼ぶケースが典型例です。連れ子は日本人男性と血がつながっていなくても、母親の扶養を受ける形で日本へ呼び寄せることができます。
申請でクリアすべき「3つの絶対条件」
この「6号ニ」で申請する際、入管から厳しく審査されるのが次の3点です。
1. 18歳未満(未成年)かつ未婚であること
民法改正により成人が18歳となったため、対象となるのは17歳以下のお子さまです。
注意したいのは、「日本に入国・上陸する時点で17歳以下(18歳の誕生日の前日まで)」でなければならない点です。申請時に17歳でも、審査中に18歳を迎えてしまうと発給されません。
2. 配偶者側の「扶養」を受けて生活すること
親子の血縁関係があれば自動的に許可が出るわけではありません。日本へ来た後、親の扶養のもとで暮らすことが前提です。
実親だけでなく、世帯全体の収入・課税・納税状況、住居の広さなどが確認され、「子どもを十分に養育できる資力があるか」が厳しく見られます。
実務で一番の壁になる「16歳・17歳」での呼び寄せ
法律上は17歳まで申請可能ですが、現場の感覚として16歳・17歳の高校生年代のお子さまを呼ぶケースは、審査のハードルが一段高くなります。
入管から「学校に通わせるためではなく、日本で働かせる(就労)目的の来日ではないか?」「なぜもっと幼い頃に呼ばず、いまになって呼ぶのか?」という厳しい疑念を持たれやすいためです。
この年代での呼び寄せを成功させるには、単に必要書類を出すだけでなく、
- 本国でこれまでどのように養育し、誰が費用を出していたのか(送金実績など)
- なぜ「今」日本に呼ぶ必要があるのか(本国での養育環境の変化など)
- 日本に来た後の進学計画や具体的な養育プラン
を、理由書などで合理的に立証していくことが不可欠になります。
おわりに
「子どもと一緒に暮らしたい」という思いは当然の願いですが、18歳という年齢制限がある以上、この手続きにはタイムリミットが存在します。
「まだ17歳だから間に合う」と楽観視せず、年齢制限と実態審査の両面を意識して、早め準備を進めることが何より大切です。ご家族の状況に応じた具体的な進め方については、ぜひ一度専門家へご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。
