資格外活動許可とは
資格外活動許可とは、現在の在留資格で認められている活動以外の仕事を行うために、あらかじめ出入国在留管理庁から受ける許可です。
例えば、「留学」は勉強を目的とした在留資格であり、「家族滞在」は扶養を受けながら生活することを目的としています。そのため、原則として自由な就労は認められていません。
そこで一定の条件を満たす場合に限り、例外的にアルバイトなどの就労を認める制度が資格外活動許可です(根拠法令:出入国管理及び難民認定法第19条)。
在留資格によって必要性が異なる
・留学
最も多く利用されるケースです。
資格外活動許可を取得すれば、原則として週28時間以内のアルバイトが認められます。
教育機関が定める長期休業期間(夏休み等)においては、1日8時間以内(労働基準法等の規定を踏まえ、実務上は週40時間程度が目安)まで就労が可能です。なお、風俗営業等に関係する業務(パチンコ店、麻雀店、バー・キャバクラ等での勤務)で働くことは法律で厳しく禁止されています。
・家族滞在
家族滞在の方も、資格外活動許可を取得することで原則週28時間以内のアルバイトが可能になります。
生活費の補助などを目的として働くケースが多く見られますが、許可を受ける前に就労を開始すると不法就労となるため注意が必要です。
・日本人の配偶者等・永住者・定住者など(身分系の在留資格)
これらの在留資格は就労制限がありません。
そのため、資格外活動許可を取得する必要はなく、どのような職種であっても副業や転職、アルバイトが原則自由に行えます。
・技術・人文知識・国際業務(技人国)などの就労ビザ
「技人国」などの就労資格を持つ方が副業をする場合、判断が少し複雑になります。
①副業の内容が現在の在留資格の範囲内の場合:
例えば、本業が通訳・翻訳者で、副業も他社で通訳・翻訳を行うようなケースでは、現在の在留資格の範囲内となるため資格外活動許可は原則不要です(※所属機関の変更や契約内容に応じた届出等は別途必要になる場合があります)。
②副業の内容が現在の在留資格の範囲外の場合:
例えば、ITエンジニアや通訳の方が、飲食店で接客のアルバイトをするような場合は、現在の在留資格の範囲を超えているため個別の資格外活動許可が必要となります。
副業を始める前に、仕事内容が現在の在留資格の範囲内かどうかを正しく確認することが重要です。
包括許可と個別許可の違い
資格外活動許可には、大きく分けて「包括許可」と「個別許可」があります。
①包括許可:
留学生や家族滞在の方などが利用する許可で、勤務先を特定せず「週28時間以内(長期休業期間は1日8時間以内)」の範囲内で包括的にアルバイトを認めるものです。
②個別許可:
就労系在留資格の方が資格外の仕事を行う場合や、個人事業・業務委託・役員就任など、労働時間の管理が難しい形態で活動する場合に利用されます。仕事内容や契約内容を個別に審査したうえで許可されます。
※なお、個人事業や業務委託であっても、事業の経営実態や規模によっては「資格外活動許可」の対象外となり、「経営・管理」等への在留資格変更手続きが必要となるケースもあります。契約形態や活動内容に応じた慎重な判断が必要です。
無許可で働くリスク(不法就労)
資格外活動許可が必要であるにもかかわらず、許可を受けずに働いたり、許可された時間数(週28時間など)を超えて働いた場合、明確な入管法違反である「不法就労」となります。
・外国人本人へのリスク:
在留資格の更新や変更が不許可になるだけでなく、悪質なケースでは退去強制(強制送還)手続きの対象となるほか、将来的な永住申請にも重大な悪影響が生じます。
・企業側のリスク:
外国人本人だけでなく、無許可や時間外労働で雇用した企業側も不法就労助長罪(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。
※不法就労助長罪の罰則については、改正入管法の施行(2027年4月予定)に伴い「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金」へと引き上げられ、今後さらに厳罰化される方針です。
「少しだけだから大丈夫」「知人に頼まれただけ」という自己判断で働き始めることは極めて危険です。
まとめ
資格外活動許可は、「外国人なら全員必要」という制度ではありません。在留資格やこれから行う仕事の内容、契約形態によって、許可の要否や適切な手続きが大きく異なります。
特に「留学」「家族滞在」「技術・人文知識・国際業務」では判断を誤りやすく、副業やアルバイトを始める前に制度を正しく理解することが不可欠です。
当事務所では、資格外活動許可の申請手続きはもちろん、副業の内容が現在の在留資格の範囲内かどうかの適法性診断や、外国人雇用企業様からのご相談にも対応しております。副業やアルバイトを検討されている方は、お気軽にご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。
