「役員として登記さえすれば、経営・管理ビザは大丈夫ですよね」
1. 資本金は500万円から「3,000万円以上」へ
最大の変更点は、資本金等の要件が従来の500万円以上から「3,000万円以上」へと6倍に大幅増額された点です。
法人であれば払込済資本金や出資総額、個人事業主であれば事業所の確保費用や1年分の従業員給与、設備投資費用など、事業に直接投下された総額で審査されます。単に帳簿上で利益剰余金を積み増すだけでは要件を満たせないため、事前の資金準備や増資計画の立て直しが不可欠です。
2. 常勤職員1名以上の雇用が必須に
旧基準では「資本金500万円以上」があれば職員雇用を免除される仕組みもありましたが、新基準では「資本金3,000万円以上」と「常勤職員1名以上の雇用」がダブルで必須となりました。
注意したいのは、誰でも常勤職員になれるわけではない点です。対象は日本人、特別永住者のほか、永住者や日本人の配偶者等といった身分系の在留資格を持つ方に限られます。就労系のビザを持つ外国人のみを雇用しても、この要件は満たせません。
3. 経営者の経歴・日本語能力・専門家の事業評価
今回の改正では、経営者本人の資質や事業の実態も厳しく確認されます。
・経歴要件:経営管理に関する3年以上の実務経験、または経営学等の修士・専門職学位などが必要です。
・日本語能力:申請者本人または雇用する常勤職員のいずれかが、日本語能力試験「N2以上」相当の語学力を有することが求められます。
・事業計画書の第三者評価:中小企業診断士、公認会計士、税理士といった専門家による事業計画の確認・評価を受けることが義務化されました。
また、事業所についても自宅兼用は原則認められなくなり、独立したオフィスや店舗の実態が強く問われます。
まとめ:既存の保持者にも関わる「経過措置」
既に「経営・管理」で滞在されている方については、施行日から3年間(令和10年10月16日まで)の経過措置が設けられています。この期間中の更新申請であれば、新基準を未達成という理由だけで即座に不許可になることはありません。
しかし、この経過措置は「一時的な猶予」に過ぎず、将来的な更新に向けて事業規模の拡大や条件整備を進める必要があります。期限直前で慌てないためにも、役員構成や増資計画を検討されるタイミングで、一度専門家へご相談いただくことを強くおすすめします。
※本記事は掲載日時点の出入国在留管理庁の公表情報に基づき作成しています。最新の手続きや個別のご相談については、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
