はじめに
無事に帰化が許可されると、いよいよ日本国籍を取得し、日本人としての新たなスタートを切ることになります。
当事務所で帰化許可を迎えられたお客様からも、次のようなご質問をよくいただきます。「これまで使っていた在留カードはどうすればいいの?」「記念に手元に残しておくことはできる?」「ほかにどんな手続きが必要になりますか?」
今回は、帰化許可後の在留カードの扱いと、その後に進めるべき大切な行政手続きについて実務目線で解説します。
1. 帰化すると在留カードは「即時失効」します
在留カードは「日本に在留する外国人」に対して交付される身分証明書です。そのため、帰化の許可(官報への告示)によって日本国籍を取得した瞬間から、在留カードは法的な効力を完全に失います。
たとえ券面に有効期限が残っていたとしても、身分証明書として使用することはできません。
2. 「14日以内」に返納手続きが必要です
効力を失った在留カードは、入管法(第19条の15)に基づき、告示日から14日以内に出入国在留管理庁長官へ返納しなければなりません。
返納方法は、お近くの出入国在留管理局の窓口へ直接持参するか、東京入国管理局等へ郵送します。郵送の際は、カード本体に加えて帰化を証明する書類(法務局交付の書類コピー等)を同封するのが実務上の正しい手順です。「使えないから」と放置せず、期限内に速やかに手続きを行いましょう。
3. 市区町村役場への「帰化届」は1か月以内に
帰化許可後は、法務局での手続きを経て、速やかに市区町村役場へ「帰化届」を提出する必要があります。
帰化届の提出期限は「許可の告示があった日から1か月以内」と定められています(戸籍法第102条の2)。この届出によってあなただけの新しい「日本の戸籍」が創設されます。帰化が許可されても役所の手続きは自動で切り替わらないため、確実に行いましょう。
4. 日本のパスポートは戸籍ができてから申請
「国籍を得たらすぐに日本のパスポートで海外へ行ける」と考えがちですが、パスポートの申請には新しく作成された戸籍謄本が必要です。
帰化届を出してから戸籍が完成するまでに数日から2週間程度かかり、そこからパスポートの発給までにさらに1週間〜10日ほどかかります。帰化直後に海外渡航の予定がある方は、スケジュールにゆとりを持って計画を立てることが重要です。
帰化許可後に進めるべき手続きチェックリスト
1.在留カードの返納(告示日から14日以内)
2.市区町村役場への「帰化届」提出(告示日から1か月以内)
3.マイナンバーカードや運転免許証の氏名・国籍変更手続き
4.戸籍謄本の取得と日本のパスポート発給申請
まとめ
念願の帰化許可は大きな節目ですが、許可後も期限のある重要な手続きが続きます。
「許可が出て一安心」と放置してしまうと、手続きの遅れや不利益につながるケースもあります。当事務所では、帰化申請のスタートから許可後の各種行政手続きまでトータルでサポートしております。お困りの際はお気軽にご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・制度に基づき作成しています。最新情報は出入国在留管理庁および法務省の公表情報をご確認ください。
