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はじめに

無事に転職が決まり、新しい職場での一歩を踏み出した外国人の方から、このようなご相談をいただくことがあります。「採用されて働き始めたけれど、次のビザ更新で不許可になったりしないか不安で……」

転職活動を乗り越えた後も、「いまの仕事で本当にビザ(在留資格)が問題ないのか」という不安を抱えたまま働いている方は少なくありません。

そんな転職後の不安を解消し、ご自身と雇用企業側の双方に大きな安心をもたらしてくれるのが「就労資格証明書」という制度です。今回は、この制度の概要と転職後に取得をおすすめする理由を実務目線で解説します。

就労資格証明書とは?

就労資格証明書とは、「新しい会社で行っている業務が、現在持っている在留資格の範囲内であり、法的に問題ありません」ということを、出入国在留管理庁(入管)が公式に証明してくれる文書です(入管法第19条の2)。

同じ「技術・人文知識・国際業務」などのビザであっても、会社が変われば職務内容や事業の安定性も変わります。そのため、次回のビザ更新時期を待たずに、あらかじめ入管に「新しい仕事への適合性」を確認してもらう仕組みです。

【重要】任意の手続きと「14日以内の届出義務」を混同しないこと

就労資格証明書の取得は、法律上の「任意」です。申請しなくても働き続けること自体は可能です。

ただし、ここで絶対に注意していただきたいのが「所属機関に関する届出(転職の届出)」との違いです。転職したこと自体を入管に報告する届出は、入管法(第19条の16)により転職後14日以内に行う「義務」となっています。

「証明書の取得(任意)」と「転職の届出(義務)」は完全に別物ですので、14日以内の届出だけは必ず完了させてください。

転職後に取得をおすすめする3つのメリット

義務ではない証明書の取得を専門家として強くおすすめするのには、明確な理由があります。

1.「不法就労」のリスクを事前に回避できる

自分では大丈夫だと思っていても、入管の基準から見ると不適合だったというケースがあり得ます。事前に交付を受けておくことで、意図しない不法就労を防ぎ、安心して業務に集中できます。

2.採用した企業側に確かな「安心」を提供できる

企業側も「不法就労助長罪に問われないか」という不安を抱えています。証明書を提示できれば、会社からの信頼向上にもつながります。

3.次回のビザ更新が圧倒的にスムーズになる

最大のメリットはここにあります。事前に就労資格証明書を取得しておけば、次の更新申請時に「新しい会社での職務適合性」についての審査が実質的に完了している状態となるため、提出書類が簡素化され、結果が出るまでの期間も短縮されます。

申請のタイミングに関する注意点

在留期限までまだ半年以上ある場合は、就労資格証明書の取得が非常に効果的です。

一方で、「在留期限まで残り3か月を切っている」という場合は注意が必要です。証明書の審査には通常1〜2か月ほどかかるため、証明書の交付を待つ間にビザの満了日が来てしまいます。この場合は証明書を申請せず、直接「在留期間更新許可申請」を行い、更新手続きの中で新しい職務内容を審査してもらうのが実務上最もスムーズです。

まとめ

就労資格証明書は、いわば「転職後の安心を先回りして確保する」ための制度です。更新時期になってから「現在の仕事内容ではビザが出ない」という事態を防ぐためにも、早めの対策が有効です。

当事務所では、転職時の「14日以内の届出」のアドバイスから「就労資格証明書」の申請、将来の「更新申請」までトータルでサポートしております。手続きやタイミングでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

※本記事は掲載日時点の法令・制度に基づき作成しています。最新情報は出入国在留管理庁の公表情報をご確認ください。

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