はじめに
「日本人と結婚したら、必ず配偶者ビザに変えなければいけないのでしょうか?」
外国人のお客様やそのパートナー様から、このようなご相談をよくいただきます。結論から言うと、日本人と結婚したからといって、必ずしも「日本人の配偶者等」へ在留資格を変更する義務はありません。
あえて変更しない理由や、どちらを選ぶべきかの判断基準について分かりやすく解説します。
あえて就労ビザのままにする3つの理由
1.現在の生活・仕事に不自由がない
「技術・人文知識・国際業務」などで大手企業に勤めており、転職や独立の予定がなければ、現在のビザを維持しても日常生活に何ら支障はありません。
2.高度専門職の独自メリットを維持したい
「高度専門職」ビザを持つ場合、世帯年収等の要件を満たせば「親の帯同(子育て・妊娠支援等)」といった手厚い優遇措置が認められます。これは配偶者ビザにはない特別な権利であるため、あえて変更しない選択が取られます。
3.万が一の離婚・死別リスクへの備え
配偶者ビザは婚姻関係が前提となるため、万が一離婚・死別した場合、14日以内の届出と原則6ヶ月以内のビザ変更手続が必要です。就労ビザのままであれば、仕事を継続している限り自身のキャリアだけで適法に滞在し続けることができます。
配偶者ビザへ変更する2大メリット
1.就労制限が一切なくなる
学歴や職歴と職種との整合性を問われなくなるため、未経験分野への転職、副業、個人事業主としての独立、パートタイム勤務までキャリアの選択肢が完全に自由になります。
2.永住申請への道が大幅に短縮される
通常の就労ビザでは「継続10年以上の在留」が必要ですが、配偶者ビザであれば「実体のある婚姻生活が3年以上+引き続き日本に1年以上在留」という特例要件で永住申請が可能になります。
どちらを選ぶべきかの判断目安
・就労ビザのままが適している方:高度専門職の親帯同制度を使いたい/自身のキャリアのみで自立して滞在したい/勤務先のサポートが手厚い
・配偶者ビザへの変更が適している方:早く永住権を取得したい/独立・起業や副業、転職をしたい/専業主夫・主婦やパート勤務へ働き方を変えたい
審査のポイントは「仕事」から「婚姻の真実性」へ
配偶者ビザへの変更申請では、職務内容の審査がなくなる代わりに、偽装結婚防止の観点から「出会いから結婚に至る経緯」「同居の実体」「世帯としての生計維持能力」が厳しく審査されます。就労ビザよりもプライベートに踏み込んだ詳細な立証資料が必要となります。
お二人の将来設計に合わせたビザ選択をサポートします
日本人と結婚したからといって焦ってビザを変える必要はありません。お二人のライフプランや将来の永住計画を踏まえ、最適なタイミングと選択肢を見極めることが大切です。
当事務所では、配偶者ビザへの変更手続きはもちろん、就労ビザの更新や永住申請を見据えたトータルなご相談を承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。
※本記事は掲載日時点の法令・公表情報に基づいています。実際の申請手続にあたっては最新の出入国在留管理庁の情報をご確認いただくか専門家へご相談ください。
