はじめに
「在留カードを見たら『特定活動』と書いてあるのですが、うちの会社で雇えますか?」採用担当者様からこのようなご相談をいただくことがよくあります。しかし、詳しく状況を伺うと、日本でガッツリ働く予定の方、就職活動中の方、ワーキングホリデー中の方など、状況はまさに十人十色です。実は「特定活動」という在留資格は、単一の制度を指すものではありません。法務大臣が個別の外国人に対して活動内容を指定する、いわば「オーダーメイドの在留資格」なのです。今回は、実務で頻出する「特定活動」の正体と、採用時の注意点を分かりやすく解説します。
「告示」と「告示外」の違い
特定活動は大きく2つに分かれます。
・告示特定活動: 法務省があらかじめ番号とルールを公開しているものです(特定活動46号やワーホリ、インターンシップなど)。
・告示外特定活動: ルールブックには載っていないものの、高齢の親の呼び寄せや事情による一時滞在など、人道的な理由等から入管の裁量で個別に許可されるものです。
実務でよく見かける5つのタイプ
1.特定活動46号(本邦大学等卒業者)
日本の大学・大学院や一定の専門学校を卒業し、高い日本語能力(JLPT N1等)を持つ方向けの就労ビザです。ホテルや小売での接客など、一般的な就労ビザ(技人国)では難しい現場業務も含まれる柔軟な就労が可能です。
2.就職活動の継続(元留学生)
卒業後も日本で就職活動を継続するためのビザです(要大学等の推薦)。
3.内定者向け(入社待機)
9月卒業から翌年4月入社など、内定後から入社までの空白期間を適法に過ごすためのビザです。
4.ワーキングホリデー
観光や文化交流を主目的とし、その滞在費を補うための就労が認められている制度です。
5.デジタルノマド(特定活動53号)
海外企業に籍を置いたまま日本でリモートワークを行う方向けの制度です。
※【人事担当者への重要注意点】 デジタルノマドは最長6ヶ月滞在のため在留カードが交付されません。本人確認はカードではなく、パスポートに貼られるスタンプや指定書で行う必要があります。
「特定活動だから働ける」という勘違いは厳禁!
最も重要なのは、在留カード表面の「特定活動」という文字を見ただけでは、就労の可否や範囲(フルタイム可、週28時間以内、就労不可など)が1ミリも判別できない点です。
採用時に必ず確認すべき「指定書」
特定活動の外国人を採用する際は、在留カードだけでなく、必ずパスポートにホチキス留めされている「指定書」の原本を確認してください。
ここには「日本で行ってよい活動内容」が日本語で詳細に記載されています。指定書を確認せずに自己判断で雇い入れてしまうと、会社側が不法就労助長罪(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金)に問われるリスクがあります。
複雑な特定活動の就労可否チェックをお手伝いします
特定活動はその種類によってルールが大きく異なります。「この指定書の内容で採用して問題ないか」「変更手続きが必要か」とお悩みの際は、どうぞお気軽に当事務所へご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・公表情報に基づいています。実際の申請手続にあたっては最新の出入国在留管理庁の情報をご確認いただくか専門家へご相談ください。
