はじめに
2026年5月、在留手続きの手数料上限額引き上げを盛り込んだ改正入管法が成立しました。
ニュース等では「永住許可が20万円へ」「更新手数料が最大7万円へ」といった金額が注目を集めていますが、外国人を雇用する企業にとって最も重要なのは「自社として今からどんな実務対応や規程の見直しが必要になるか」という点です。
人事・労務担当者が今すぐ確認しておくべきポイントと具体的な対策を解説します。
何が変わるのか?(改定の概要と想定額)
今回の改正では、在留手続きの手数料上限額が45年ぶりに引き上げられました(法律上の上限は変更・更新10万円、永住30万円)。これに伴い、実際に納付する印紙代の目安も現在の数千円から一変する見込みです。
・在留資格の変更・更新許可: 現行 4,000円 ➔ 1万円〜7万円程度(付与される在留期間に応じて区分想定)
・永住許可: 現行 10,000円 ➔ 20万円程度
新手数料は2026年度内(2027年3月31日まで)に順次適用されます。「まだ先」と油断せず、早めの準備が必要です。
費用負担ルールと就業規則の「企業防衛」
多くの企業では、更新費用(現行4,000円)を「会社全額負担」またはルールを曖昧にしたまま運用してきたケースが見られます。しかし、社員数や更新頻度によっては会社負担額が数十万〜数百万円単位へと急増します。
「誰がどこまで負担するのか」の取り決めがないと、社員との間でトラブルに発展するおそれがあります。雇用契約書や就業規則、社内規程を早急に見直し、以下の「企業防衛策」を講じることが重要です。
1.会社補助の上限額を設定する(例:「更新費用は1回あたり1万円まで会社負担」等)
2.対象とする手続きを限定する(例:「就労に必要な技人国等の更新は会社負担とし、永住申請や家族滞在は自己負担とする」等)
予算計画とサポート制度の再検討
特に影響が大きいのが「永住許可(20万円程度)」です。優秀な人材の定着(リテンション)のために永住取得費用を福利厚生で補助していた企業は、制度維持か条件追加かの判断を迫られます。2026年度下半期から2027年度以降の人件費・福利厚生費予算への織り込みが不可欠です。
労務・ビザコストの最適化をワンストップで支援します
手数料引き上げは外国人本人のみならず、企業の労務管理や採用コストにも大きな影響を与えます。社内ルールの整備やコストシミュレーションでお悩みの際は、提携社労士とも連携してトータルサポートを行う当事務所へお気軽にご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・公表情報に基づいています。政令等により最終的な手数料額や運用が決定されますので最新情報をご確認ください。
