はじめに
「休日に飲食店でアルバイトをしたい」「ネットショップやSNSで副収入を得たい」
働き方改革や副業解禁の流れを受け、外国人社員から副業について相談される企業様が増えています。しかし、日本人社員と同じ感覚で「会社の就業規則で許可しているから大丈夫」と判断するのは非常に危険です。外国人の副業には、労働契約だけでなく「在留資格(ビザ)の範囲内か」という入管法上の問題が直結するためです。
日本人と外国人で異なる「副業」のルール
日本人の副業は主に社内規定(就業規則)の問題ですが、外国人の場合は許可された在留資格の範囲を超えて働いた場合、不法就労(資格外活動違反)となります。
代表的な在留資格である「技術・人文知識・国際業務(技人国)」は、エンジニアや営業、翻訳など専門的・技術的分野で働くことを前提としています。そのため、会社が副業を認めていても、在留資格上認められない業務を行えば法令違反となってしまいます。
よくある3つの誤解と実務上のリスク
1.「休日や短時間のアルバイトなら問題ない」という誤解
「技人国」などの就労ビザを持つ社員が、コンビニや飲食店などでアルバイトをするための資格外活動許可(個別許可)を得ることは、実務上原則認められません(留学生などの包括許可とは異なります)。
2.「無報酬のお手伝い」や「SNS・EC販売」
実務上、「知人の店を無報酬で手伝っただけ」「不用品処分ではなく仕入れを行ってネット販売している」「継続的にYouTube等の広告収入を得ている」といったケースも、実質的な労働や事業(業)とみなされ、将来の在留資格更新や永住申請で不許可となるリスクがあります。
3.「同種の専門職」なら資格外活動許可は不要
本業と同じ専門分野(例:他社でエンジニアや通訳として副業)を行う場合は資格外活動許可は不要です。ただし、副業先でも本人の学歴・職歴に合致した業務である必要があり、受入企業側も「所属機関に関する届出」などの手続が必要となります。
企業側も問われる「不法就労助長罪」
許可が必要な活動であるにもかかわらず無届で副業を行わせた場合、外国人本人だけでなく、副業先の企業も不法就労助長罪(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金)に問われるリスクがあります。
相談を受けた際は、「どこで、誰と、どんな業務を、どのような契約(雇用か請負か)で行うのか」を詳細に確認することが必須です。
外国人雇用のビザコンプライアンスをサポートします
当事務所では、外国人社員の副業・兼業に関する在留資格の適格性判定や、社内規定の整備、各種届出手続を専門的にサポートしております。「この副業は法律上問題ないか」とお悩みの企業様は、どうぞお気軽にご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・公表情報に基づいています。実際の申請手続にあたっては最新の出入国在留管理庁の情報をご確認いただくか専門家へご相談ください。
