はじめに
「優秀な外国人材に内定を出し、ビザ申請をしたのに不許可になってしまった」――企業の経営者様や採用担当者様から当事務所に寄せられるご相談の中でも、特に多いのがこのトラブルです。
日本語がどれだけ達者で人物面が優れていても、入管審査では「学校で学んだ専攻内容」と「入社後の担当業務」にしっかりとした関連性があるかが厳しく見られます。
よくあるミスマッチの典型例
・経済学部卒の方を「専任の通訳・翻訳」で採用
語学力があるからと採用しても、単に「外国人だから」という理由だけでは許可されません。大学での履修科目や語学専攻としての実績、合理的な理由付けが求められます。
・人文学部卒の方を「ITエンジニア」として採用
スクールや独学でプログラミングを学んだ場合でも、文系専攻の場合は関連性の説明が難航しがちです。ただし、基本情報技術者試験などのIT告示資格に合格していれば、学歴・専攻要件が免除される特例もあります。
また、日本の「専門学校卒(専門士)」の方を採用する場合、大学卒に比べて専攻と業務の直結性がより厳格に審査される点にも注意が必要です。
対人・接客業務で求められる「日本語能力」の客観的立証
ホテルフロントや営業、通訳業務などでは、面接での印象だけでなく、JLPT(N2/N1)やBJT(ビジネス日本語能力テスト)といった客観的な試験の証明書を求められる運用が定着しています。「日本語上級」という自己申告だけで判断するのは危険です。
内定前に企業が取り組むべきリスク管理
トラブルを防ぐために、採用ルートの確定前に次の3点を必ず確認しておきましょう。
1.成績証明書で履修科目まで確認する(学部名だけでなく、具体的に何を学んだかを見る)
2.入社後の具体的な業務スケジュールを整理する(専門的・技術的な業務がメインであることの証明)3.内定通知書に「停止条件」を明記する「本内定は、出入国在留管理庁より適切な就労資格の許可が得られることを条件とします」という一文を入れておくことで、万一の際の労務トラブルを防ぎます。
採用決定前の「ビザ事前診断」をご活用ください
当事務所では、内定を出す前の段階から、候補者の経歴と貴社の事業内容・担当業務との整合性を診断し、入管へ説得力のある説明資料を作成するサポートを行っております。確実な採用のために、ぜひお気軽にご相談ください。
※本記事は掲載日時点の法令・公表情報に基づいています。実際の申請にあたっては最新の出入国在留管理庁の情報をご確認いただくか専門家へご相談ください。
